【埼玉県・建設業許可専門行政書士の現場視点】
「人がいない」だけでは終わらない時代に入った
ここ数年、建設業界の経営者から、同じ言葉を何度も耳にします。
「仕事はある。でも人がいない」
「採用しても定着しない」
「現場が回らず、断る仕事が増えた」
2025年、この感覚を裏付けるようなデータが公表されました。
人手不足を主因とする倒産件数が427件に達し、過去最多を更新したのです。
特に深刻なのが建設業で、他業種を大きく引き離す結果となりました。
この数字は単なる景気変動ではありません。
建設業界が構造的な転換点に入ったことを示しています。
私は埼玉県で、建設業許可・経営事項審査・法令対応を専門にサポートする行政書士として、多くの現場を見てきました。
そこで感じるのは、
「人手不足は“原因”ではなく、“引き金”にすぎない」
という現実です。
この記事では、
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なぜ建設業で人手不足倒産が急増しているのか
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倒産に向かう会社と、踏みとどまる会社の違い
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2026年以降も生き残るために、今やるべきこと
を、制度と現場の両面から整理していきます。
「人手不足倒産」とは何か|数字の裏側を読み解く
人手不足倒産の基本的な考え方
一般に「人手不足倒産」とは、
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従業員の退職
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採用難
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人件費の上昇
といった人材面の問題をきっかけに、事業継続が困難になったケースを指します。
ただし、ここで重要なのは、
「人が辞めたから即倒産」ではないという点です。
実際には、
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人が辞める
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現場が回らない
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工期遅延・受注減少
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資金繰り悪化
という連鎖の末に、倒産へ至るケースがほとんどです。
小規模事業者ほど影響を受けやすい現実
人手不足倒産の多くは、従業員10人未満の事業者に集中しています。
これは非常に重要なポイントです。
小規模な建設会社では、
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1人=1現場
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1人=会社の柱
というケースが珍しくありません。
つまり、たった1人の退職が、経営そのものを揺るがすのです。
なぜ建設業で倒産が集中しているのか|背景にある3つの要因
① 2024年問題が「隠れていた弱点」を表に出した
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が本格適用されました。
これまで、
「忙しい時期は残業で乗り切る」
「現場が終わるまで帰れない」
という働き方で成り立っていた会社ほど、影響を強く受けています。
仕事量は減らない。
しかし、使える時間だけが減る。
結果として、
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人が足りない
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工程が組めない
-
無理をすれば法令違反
という三重苦に陥るのです。
② 薄利体質と価格転嫁の遅れ
建設業では長年、
「安くても仕事を取る」
「値上げは言い出しにくい」
という慣習が続いてきました。
しかし、人件費・材料費が上がる中で、
利益が出ない構造のままでは耐えきれないのが現実です。
人手不足は、
もともと利益余力のない会社から順に、経営を直撃しています。
③ 属人化した経営と管理体制
現場・営業・書類作成・人材管理を、
社長やベテラン職人が一手に担っている会社も少なくありません。
この状態で人が減ると、
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代わりがいない
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引き継ぎができない
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ミスや遅延が増える
という悪循環に陥ります。
倒産リスクが高い会社に共通する特徴
私が実務で見てきた中で、危険信号となるのは次の3点です。
① 法令対応が後回しになっている
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建設業許可の管理が曖昧
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社会保険未加入
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労働時間の把握ができていない
これらは今後、「致命傷」になり得るポイントです。
元請企業は下請のコンプライアンスを厳しくチェックしています。
法令対応が甘い会社は、仕事の入り口で弾かれる時代です。
② 財務状況を正確に把握していない
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どの工事で利益が出ているか分からない
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資金繰りを感覚で見ている
こうした状態では、環境変化に対応できません。
③ 人材を「コスト」としてしか見ていない
人は最大の経営資源です。
にもかかわらず、
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教育をしない
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評価基準がない
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将来像を示さない
会社から、人は静かに離れていきます。
2026年を生き抜くために、今すぐ取り組むべきこと
① 「当たり前の法令遵守」を徹底する
まずは足元固めです。
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建設業許可の有効期限管理
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技術者配置の適正化
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社会保険・労務管理
これらは経営戦略以前の最低条件です。
② 人を増やすより「辞めない会社」を作る
採用競争に勝つのは簡単ではありません。
だからこそ、
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休日の確保
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資格取得支援
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将来のキャリアイメージ提示
といった定着施策が重要になります。
③ 経営事項審査を「戦略的」に活用する
経審は単なる手続きではありません。
経営改善の指標として活用すれば、
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財務体質の見直し
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技術力の可視化
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公共工事への安定参入
につながります。
④ DXで「人がやらなくていい仕事」を減らす
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勤怠管理
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工程管理
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会計・書類作成
人がやらなくていい業務は、ITに任せる。
これだけでも、現場の負担は大きく減ります。
行政書士を活用する意味|「守り」が会社を強くする
建設業の経営は、
「現場力 × 法令対応 × 数字管理」
のバランスで成り立っています。
行政書士は、
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許可・経審・更新
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コンプライアンス整理
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将来を見据えた制度設計
を通じて、会社の“守り”を固める役割を担います。
守りが固まって初めて、攻めの経営が可能になります。
まとめ|「きちんとやる会社」が生き残る
人手不足倒産の増加は、確かに厳しい現実です。
しかし同時に、
誠実に、丁寧に、制度を守って経営する会社が評価される時代
の始まりでもあります。
今できることは、決して特別なことではありません。
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現状を正しく把握する
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当たり前を疎かにしない
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早めに専門家へ相談する
この積み重ねが、2026年以降の明暗を分けます。
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