建設業許可を申請する際に個人事業主として申請するか、法人化して申請する方がよいのか、ご質問をいただくことがございます。先々に法人化するご予定がある場合や、法人化のご検討をすることがある場合には、法人化してから建設業許可を取得することをお勧めいたします。
なぜならば、個人事業主として建設業許可を取得するとその許可は事業主個人にのみ帰属します。
そのため、個人事業主として建設業許可を取得した後に法人化をして同じ建設業を営む場合であっても、その新設した法人に個人事業主として取得した建設業許可は承継されず、新規で建設業許可を取得しなければなりません。手続き上も、いったん個人事業主としての建設業の廃業届を提出し、新たに新規申請を行うといった手間も増えることとなります。
また、法人と個人とでは信用力に大きな違いがあります。とくに建設業界は独特な重層構造からなり、業界において信用力は取引上大きな要素となります。
資本金の額が、一般建設業許可の場合は500万円以上あること、特定建設業許可の場合は4,000万円以上が許可の要件となります。
法人(会社)を設立する際には定款を作成しますが、その中の事業目的に取得しようとする建設業許可に関連するものが記載されている必要があります。
経営業務の管理責任者がいることは、建設業許可を受けるうえで非常に重要な要件です。
また、法人は存続することが想定されています。そのため個人事業主が法人成りをする場合には、事業主のみが法人役員になるのではなく、先々に事業を承継する予定のある後継者も取締役として役員に入れるといった、建設業許可を維持していく永続性が考慮された役員構成とするのが望ましいと言えます。